監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
一般的制限値を超える特殊な車両は、もともと道路を走れません。道路管理者の許可を受けて、決められた条件を守るときだけ、例外として走れます。許可を受けずに走ったり、条件を守らずに走ったりすると、取締りで警告や命令を受け、繰り返せば会社名の公表や許可の取消し、告発へと進みます。罰金は運転者だけでなく会社にも科されます。このページでは、取締りの流れと罰則を、国土交通省の「特殊車両通行ハンドブック」に沿ってまとめます。
「無許可」と「条件違反」
| 違反 | よくある例 |
|---|---|
| 無許可 | 許可を受けていない。許可はあっても、申請した経路と違う経路を走った。申請した総重量や寸法を超えて走った。許可期間が切れていた |
| 条件違反 | 条件の徐行をしなかった。誘導車を付けなかった。夜間と指定された区間を昼間に走った |
申請した内容と、実際の経路や車両が違うときは、その経路や車両は審査を受けていないことになります。許可証を持っていても「無許可」と扱われる点に気をつけてください。
取締り
道路管理者は、道路の構造を守り、交通の危険を防ぐため、管理する道路で取締りをしています。
- 取締基地道路沿いの取締基地に車両を入れて、寸法や重さを測り、許可証を確かめます。
- 自動計測装置道路に埋め込んだ装置で、走っている車両の重さを自動で測ります。止められなくても、記録をもとに事業者へ警告が届きます。
- 報告と立入検査道路管理者は、限度を超える車両を持つ事業者に報告を求めたり、事務所に立ち入って通行の記録などを検査したりできます(道路法 第72条の2 第2項)。
警告と措置命令
違反が軽いときは、警告書が出ます。それ以外で、積み荷を減らすなどができるときはその措置を、荷物を分けられないときは通行の中止などを命じる措置命令書が出ます。
違反を繰り返すと
- 1
警告
取締基地やWIMで違反が見つかると、警告を受けます。
- 2
是正指導
警告を繰り返し受けると、国道事務所などで「是正指導書」が交付され、二度と違反しないよう改めることを求められます。
- 3
公表
是正指導を繰り返し受けても改めないと、弁明の機会のあと、会社名と指導の内容が地方整備局のホームページなどで公表されます。
- 4
許可の取消し・告発
さらに違反を続けると、許可の取消しと告発の対象になり、取り消したことも公表されます。
直轄国道の取締基地の例では、直近の警告から1年たつと、警告の回数は数え直しになります。
すぐに取消し・告発の対象になる場合
許可なく、または許可の条件に違反して特殊車両を走らせ、次のどれかに当たると、許可の取消しや告発の対象になります。
- 重大な事故死亡・重傷などの事故や、道路を壊すような重大な事故を起こしたとき。
- 命令に従わない通行の中止、総重量の軽減、徐行などの道路管理者の命令に違反したとき。
- 常習違反を常習的に繰り返したとき。
重さが基準の2倍を超えると、その場で告発の対象
取締りの現場で、総重量の一般的制限値の2倍以上という悪質な重量超過が見つかると、告発の対象になります。許可を受けた車両は「基準×2+(許可された総重量−基準)」を超えると対象です。
罰則
道路法の罰則は次のとおりです。
| 違反 | 罰則 |
|---|---|
| 無許可・ 条件違反 |
幅・長さ・高さ・重さ・最小回転半径などの制限を超える車両を、許可なく、または許可の条件に違反して走らせた。100万円以下の罰金(第104条 第1号) |
| 許可証なし | 許可証(確認制度では回答書)を備えずに走らせた。100万円以下の罰金(第104条 第2号・第3号) |
| 標識の制限 | 標識で重さや高さを制限している橋・トンネルなどを、許可なく制限を超えて走らせた、またはその許可の条件に違反した。6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第103条 第5号) |
| 中止命令 | 道路管理者や道路監理員の通行の中止などの命令に違反した。6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第103条 第6号) |
| 確認制度の 記録・報告 |
登録車両ごとの通行経路・積荷の重さ・通行時間の記録や保存をしなかった、報告をしなかった、うその記録や報告をした。100万円以下の罰金(第104条 第4号・第5号) |
| 補強の命令 | 同じ道路を繰り返し使う事業者が、道路の補強などの命令に違反した。100万円以下の罰金(第104条 第6号) |
| 軽減の命令 | 車両制限令の基準を超える車両で、総重量の軽減や徐行などの命令に違反した。50万円以下の罰金(第105条) |
| 登録の届出 | 確認制度の登録事項の変更や、登録車両の使用をやめたときの届出をしなかった、うその届出をした。30万円以下の罰金(第106条 第3号) |
| 報告・検査 | 道路管理者への報告をしなかった、うその報告をした、立入検査を拒んだ。30万円以下の罰金(第106条 第8号) |
拘禁刑は、2025年6月から懲役・禁錮に代わったものです。
会社にも同じ罰金が科されます
運転者や従業員が仕事の中で違反をすると、本人だけでなく、会社や事業主にも同じ罰金刑が科されます(道路法 第107条、両罰規定)。申請の漏れや条件違反がないかを会社として管理することが大切です。
違反を防ぐために
- 許可の範囲を共有する許可された車両・経路・条件・期限を、配車の担当者と運転者が同じように知っている状態にします(通行条件と走るときの決まり)。
- 期限を管理する許可期間が切れると、そのまま走れば無許可です。期限の1か月ほど前に更新します(更新申請)。
- 経路や車両が変わったら行き先が増えた、車両を入れ替えたときは、走る前に変更申請や新規申請をします。
警告を受けた、許可が足りているか不安なときも
行政書士事務所WITHNESSでは、今お持ちの許可の車両・経路・期限を確かめ、足りない経路の申請や、期限の管理をお手伝いします(申請方法・サービス・報酬額)。
出典:道路法 第72条の2・第103条〜第107条、国土交通省「特殊車両通行ハンドブック」(2025年4月版)、通達「道路法第47条の14に係る行政処分等の基準について」。罰則の内容は法改正で変わることがあります。2026年10月時点の内容です。


